内面研削の加工技術

作業員

内径の精密仕上げに最適

エンジンのシリンダーやアルミ・ステンレス製パイプなど、円筒状の構造を持つ自動車部品や機械部品の内径は高い精度が求められるものです。金属部品の外面を研削するのと比べて内面を研削するには特殊な技術が必要となりますが、そうした工程によく使われるのがホーニングと呼ばれる加工技術です。ホーニング加工機のヘッドと呼ばれる円筒状の治具には複数個の砥石が取り付けられており、この砥石が回転運動をしながら加工物の内面を往復します。加工を行う際には灯油や軽油などの研削油を流しながらホーニングヘッドが回転・往復し、添加剤を加えて研削性を高める場合もあります。ホーニング加工機に取り付けられた砥石には油圧式・機械式・手動式といった各方式によって外圧がかけられているため、回転・往復運動をすることで内径が研削されるのです。ホーニング加工機が自動車部品・機械部品の製造メーカーで人気を集めている理由の1つとして、研削精度の高さが挙げられます。同様に円筒状の構造を持つ部品の内面加工を行う工作機械には内面研削盤もありますが、面粗さや真円度といった精度の点でホーニング加工の方が格段に上です。さらにホーニング加工を施した内面にはクロスハッチと呼ばれる非常に微細な網状の筋がつくため、この網目構造が潤滑油を保持して摩擦抵抗を低くするのに役立ちます。こうした特徴からホーニング加工はエンジンのシリンダーなどに最適な内径の精密仕上げとして、自動車部品メーカーから人気を集めているのです。エンジンのシリンダー部分にホーニング加工を施した場合は、摩擦抵抗の低減によって低燃費の実現にも大きく貢献します。自動車部品以外でも同様の技術はさまざまな機械部品に用いられており、冷間引抜鋼管など各種のパイプにも最適です。ホーニングは外面の仕上げに使われる場合もありますが、内面の精密仕上げに利用されるケースが圧倒的に多い加工技術なのです。